オーラルケアに多い問題点や改善方法

オーラルケアは、歯や歯茎の健康状態を良好に保つには不可欠なケアですが、その一方で軽視されやすい事実も否定できません。口腔疾患の多くは、痛みや出血など目立った初期症状がないため、トラブルを未然に防ぐことの重要性が理解されにくい傾向があるのです。また、古くから伝わる迷信や間違った方法による歯磨きが、正しいオーラルケアの妨げになっているのも事実としてあります。
加齢や病気によって口内が乾燥している人や、歯の詰め物が劣化している人も、無自覚な状態でトラブルを抱えているといえるでしょう。口内を健やかに保つためには正しい知識を持ち、問題点を速やかに取り除くことが何よりも大切です。

そこで看護師は、患者の考えを改めさせることが非常に重要と言っても過言ではありません。いくら看護師が指導を行っても、患者が誤った思い込みや迷信を信じているケースは珍しくありません。虫歯や歯周病などの口腔疾患の多くは、症状が進まないと自覚できない点もオーラルケアの軽視につながっているといえます。
患者の考えを改めさせるには、口腔疾患を放置したらどうなるのかを教えるのがもっとも効果的です。症状が進んで歯はおろか、顎の骨まで傷んだ虫歯の写真など、口腔疾患がもたらす大きなトラブルを見せて視覚に訴える方法は、いい結果につなげやすいです。看護師はこのように、自分はこうなりたくないと患者に思わせることも、口腔環境を健やかに保つサポートを行う仕事の1つとして意識しましょう。